鼻出しマスクは無意味、正しい感染対策で感染拡大予防を

感染対策
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新型コロナウィルス感染症も、一時期の感染拡大状況も収束してきており、リモートワーク を解除する企業も出始めています。海外では再び感染拡大の懸念が広がっている中で、日本で収束が見られたのは、手洗いうがい手指消毒のほか、なんと言ってもマスクの着用が徹底されたことになると思います。

一方で、感染拡大期間においても見られたのは、不正確なマスクの着用方法でした。

特に、鼻を覆わないでマスクを着用する「鼻出しマスク」は、着用者の感染防止の効果を下げるだけでなく、感染拡大防止という意味合いにおいて意味をなさないのです。

正しいマスクのつけ方は?

まずは、厚生労働省の「正しいマスクのつけ方」正しいマスクの装着方法をご覧ください。

動画にある通り、マスクは鼻と口を完全に覆い、フィットさせるように着用します。隙間のないように自分にあったサイズのものを使うのが重要です。また、こちらの動画でも、鼻出しマスクやアゴマスクなどはしないように説明されています。

マスクは感染しないため以上に、「感染させないため」にある

新型コロナウィルスに限らず、多くの感染症はウィルスや細菌などに曝露(晒されること)した総量(体内に取り込んだ量)によって発症したり症状が重くなったりします。つまり、曝露量を下げる(空間に存在するウィルスを減らす、ウィルスが存在する空間にいる時間を減らす、存在するウィルスを体内に取り込む量を減らす)ことが感染予防になります。

マスクを正しく着用するのは曝露量を減らすためでもありますが、第一の目的は空間のウィルス量を増やさないというためにあります。(めぐりめぐって結果的に曝露量を減らすことにつながる)

もし、自分が知らない間に感染してしまっていた場合、正しくマスクを着用していないと空間にウィルスを撒き散らしていることになります。その場合、その空間のウィルス量が増加しますので、他の人の曝露量が増え、感染リスクが増えることになります。

PCR検査をしているので大丈夫だ。という人もいますが、PCR検査は「検査時点で感染が確認されなかった(誤検知、検知ミスもあり)」ということであり「感染していない証明」でもありません。(感染していないだろうという可能性は高いと思いますが)

同じく、自分はワクチン摂取済みなので大丈夫だ。という人もいます。厚生労働省では、ワクチン摂取済みであっても、感染予防の効果は100%ではないとしており、実際にワクチン摂取済みでも感染、発症する「ブレイクスルー感染」の事例も見られます。ワクチンによって抵抗力をつけたとしても、それ以上のウィルスを取り込んでしまえば感染、発症してしまうので、マスクの着用は継続する必要があると言えます。

新しい変異株は、ワクチン摂取済みでも感染、発症することも確認されており、いつ、どのタイミングで変異株が出現するか不明な状態では、正しいマスクの着用が必須と言えます。さらに、変異株はウィルス量、感染者数が多いほど変異しやすいと言われていますので、状況が落ち着いていたとしても、変異株の発生を抑えるためにも正しいマスクの着用は継続する必要があります。

また、周囲の人はどの人が「PCR検査で陰性だった(それはいつの時点での検査結果?)」「ワクチン摂取済み」というのは判別できませんので、マスクをしていない、マスクを正しく着用していないというのは、周囲に不安を与えることにもなります。

正しいマスクの着用の効果として、正しくマスクを着用していても感染してしまった人がいますが、その人が正しくマスクを着用し続けていたことで、同居人をはじめ周囲の人には感染させなかったという例があります。もちろん、周囲も正しくマスクを着用し、手洗いうがい咳エチケットなどを行っていたこともありますが、「まず空間にウィルスを存在させない」ということが重要なことがわかります。

マスクの素材も重要

最後になりますが、正しいマスクの着用に際しては、マスクの素材も重要になります。マスクは「不織布」のマスクであることが望ましいです。短時間だったり、近所の散歩程度など、密でない場所に少人数で出かける場合には布製でも良い場合もありますが、その場合でもウレタン製のマスクは避けた方が良いです。

通勤や、外回り、展示会などの不特定多数がいる場所に行く場合には、不織布は必須、場合により途中で交換することも検討しましょう。万一に備えて予備のマスクを携行するのも忘れないようにしたいですね。

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