常に備えるEDC(Every Day Carry)アイテム

Every Day Carry
防災

EDC(Every Day Carry)というワードを聞いたことはありますでしょうか?主にアメリカのアウトドア、サバイバル(ブッシュクラフトなど)の分野で、常に身につけているアイテム、装備という意味で使われています。

多くの場合、小型のポーチにツールナイフやワイヤー、マッチ、ホイッスルなど、道具をなくしたり怪我をした時でも最低限の装備を身につけていられるように小型で多機能なツールを詰め込んでいたりします。日本においても「キャンプで役立つEDC」「モバイルガジェットのEDC」など、常に持ち歩いていたい、忘れ物した時もピンチを脱出できる便利なアイテムの詰め合わせキットなどを独自に作っている人もいます。

とはいえ、日本の日常生活でのEDCは、ナイフや火打ち石を持ち歩くわけではありません。使用頻度にもよりますが、普段持ち歩いているアイテムの予備や日常のなかで起こりうる「非常事態」に備える内容に沿ったものになるでしょう。アウトドアのEDCアイテムが人によって様々なように、日々のEDCアイテムも人によって様々になります。

EDCアイテムの選び方

EDCアイテムは、まさに「マイタイムライン」によって選ぶのが重要です。オフィスに出勤する人は自宅とオフィスの移動中や、オフィスで発生するかもしれない困りごとに対応するアイテムを中心に、万一の災害でも役立つものなどがあると良いかもしれません。

もう一つは、普段使っているアイテムの小型版、予備的なものになります。スマートフォンを1回分充電できるモバイルバッテリーを普段使っている人は、その半分、または7割くらいを充電できる薄型や小型のバッテリーを予備として持っていると、かさばらずにいざというときに最低限の充電が行えることになります。

複数機能を内包したアイテムを選ぶのもポイントです。スイスアーミーナイフのような缶切りや栓抜き、ナイフやノコギリが一つに収納されたアイテムは、一つ持っていれば複数の用途に使えます。ボールペンであれば、3色切り替えられるもの、シャープペンシルが含まれるものなど一つあれば一通りの用途を賄えるものなどをあえて選ぶのも一つのアイディアです。日常のアイテムは多機能よりも使い勝手で選ぶ視点も重要ですが、EDCの場合は使い勝手も重要ですが必要な機能をコンパクトに持ち運ぶという視点が重要になります。

使用頻度の少ないもの、本当に予備なものは少量パック、一回分を小分けにするなどもアイディアです。お弁当についている七味や醤油の使い切りパックのようなイメージです。日常使いには醤油刺し、シェイカーを使い、ストックや料理用には大瓶を用意している人も、お弁当には使い切りパックやタレ瓶を使ったりするように、補修テープを一巻き持つのではなく数メートル分を折り畳んで持つ(例、ヤマト「アウトドアテープ」)などです。携帯用トイレも、処理剤と排泄袋などがセットになった1回分パックを持つなど、オフィスや家庭に備蓄するのと違った形状、パッケージを選ぶ必要もあります。

自分なりのEDCキットを作ろう

マイタイムラインを想定したらその中で最低限の困りごと、最後まで維持したい機能をイメージして、それに対応するためのアイテムをリスト化します。うまくアイテムがイメージできない場合には、必要な機能(懐中電灯ではなく、明かりなど)をリストしてゆくと良いでしょう。(理想は、必要な機能を優先順位や重み付けをしてリスト化して、それを実現するアイテムを記すなどの表を作成することです)

重要な機能や最後まで欲しい機能は、最小限にしたいと言いつつ複数持つこともあり得ます。そこで多機能アイテムが重要になってきます。例えば多くの人が持ちたいライトですが、スマートフォンのLEDライトや画面の灯りでなんとかなるという人もいますが、スマートフォンのバッテリーを節約するために小型のライトを持つことは有用です。モバイルバッテリーにもLEDライトが内蔵されているものもありますし、マルチツールにライトが付いているというのもあります。

防災に手慣れている人は、非常用トイレのパックではなく排泄用にもなるビニール袋と処理剤を持つことで複数用途に使える備えができるかもしれません。その人のスキル、知識、経験によって、素材を持っていた方が役立つ場合もあります。

ボールペンのリフィルと軸を別で持って都度入れ替えるという方法が難なくできる人はそのほうがコンパクトにできるので他のアイテムを入れる余地も増えるかもしれません。

慣れない人は、まずは市販のサバイバルキットやコンパクト非常用品セットなどを購入して、自分好みにカスタマイズするところから始めるのも良いと思います。万人向けの内容ではありませんが、なんとなく正解、8割の人にとっては半分以上は役に立つ内容物、くらいの品揃えであることが多いので、カスタマイズベース、最初の取り掛かりには良いかもしれません。その中から不要なものを除いて必要なものを足すを繰り返して自分だけのEDCキットに仕上げるのも楽しみの一つです。

最後に、EDCアイテムを入れるポーチ、バッグも紹介します。文具店や100均ショップでも売っているメッシュポーチ、メッシュバッグは、中身が見えて丈夫でちょっとした防水性があるのでおすすめです。

ベルトに取り付ける小型のポーチなどもありますので、時と場合、さらには一つだけしか持ってはいけないというルールもないので状況によって幾つかのポーチを組み合わせて使うというのもありかと思います。加齢や体調、オフィス移転など環境の変化でも対策が変わりますので、作った後もマイタイムラインとともに定期的に内容を見直してアップデートをするようにしましょう。

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