備蓄は足りてる?非常トイレの必要数と関連用品を算出

簡易トイレ
防災

自宅でも会社でも、水や非常食などの備蓄はそれなりに備蓄していても、非常用トイレを必要数備蓄していないことが多いです。

建物が無事なら、トイレが使用できるのではないか?水が流れないなら汲み置きの水があればいいので?という疑問もあると思いますが、なぜ建物のトイレを使用できないか、非常用トイレが必要かを説明したいと思います。

震災時のトイレ利用は点検後正常が確認されてから

震災時には、建物が無事でも上下水道やガス管などの配管が破損している可能性があります。ガス管の破損は安全装置が働いてガスの供給がカットされますし、破損した管から漏れたガスは次第に拡散されてゆきます。水道の場合、上水は漏れても濡れるだけで済みますが、下水は汚水が漏れると大変なことになります。

特に、自分の階で破損、詰まりが生じた場合、自階より上階から流れた汚水が破損箇所やトイレや排水溝から逆流してくる恐れもあります。

上記の理由から、配管の点検が終了するまではトイレは使用できないものとして考える必要があります。

上下水道の復旧は、おおよそ30日後

では、どれくらいの期間使用できないと考えるべきでしょうか?

東京都では、災害時ライフラインを復旧させる目標日数として上下水道は30日としています。過去の震災時における水道が9割程度復旧するのにかかった日数は、阪神・淡路大震災で24日、東日本大震災で37日となっています。

このことより、震災直後は避難所代わりに運用したり、震災後建物が無事な場合には早期に再稼働させたいという場合には、収容人数の1ヶ月分程度の備蓄が必要となります。

非常用トイレの必要数の算出方法

一人が1日あたりトイレを利用する回数は平均5回とされています。そこから算出すると、3日分なら15回分、1週間で35回分、1ヶ月では150回分必要になります。一人当たりの必要量がこれなので、10人分ならこの10倍、100人分ならこの100倍必要ということになります。

国や市町村などの自治体からの支援などもあるので全数を備蓄する必要はないかもしれませんが、震災直後は備蓄の配布も滞りがちですので自助としての備蓄を最低でも3日分、理想は10日分程度あると良いでしょう。

「非常用(携帯用)トイレ」としての備蓄以外にも、介護用やペット用のオムツ、トイレシートなどを準備して置いたり、中身が見えないポリ袋などを用意しておくことで代用とすることもできます。

トイレ空間の有効活用を

簡易トイレ

水洗トイレが使用できなくとも、トイレの空間は活用できます。便器に非常用トイレをセットして使ったり、非常用トイレの備品をトイレ空間に設置して使うなど空間を有効活用しましょう。

さらに使用済みの非常用トイレの保管も忘れてはなりません。非常用トイレのセットには臭いや中身が漏れないように二重の袋がセットされていたりしますが、それでも臭いは漏れ出てくることがありますので、蓋の閉まるゴミ箱など一時的に保管できる容器も必要です。

その他、トイレットペーパーや消毒薬なども必要ですし、停電時にはLEDランタンなど手を塞がない灯りも便利です。

非常用トイレも、1回分ずつ凝固剤、内袋(排泄用)、外袋(密閉用)と小分けになっているもの以外に、凝固剤のみパックされているものや段ボールなどで作られた簡易フレームなどがセットされたものもあります。備蓄用(施設内利用)か、移動(避難所や帰宅など)用なのかでもセットの内容は変わってくると思いますので一律に選ぶのではなく用途別に準備するのが良いでしょう。

オススメの非常用トイレ関連アイテム

Qトワレ
サンズ株式会社:Qトワレ

企業の備蓄だけでなく、個人の備えにも適している非常用トイレ(携帯トイレ)に、「Qトワレ (1回分/5回分/100回分)」があります。5回分がちょうど1日分となりますので、計算しやすいほか、100回分は備蓄用としてコンパクトに保管できるので企業の備蓄として適しています。

そのほか、コクヨの長尺トイレットペーパーは、1ロール200mと一般の3倍以上で長持ちします。1ロールで大人20人分の1日分を賄えるとしており、防湿パックに6ロール封入されているので備蓄に適しています。

コクヨ:長尺トイレットペーパー
コクヨ:長尺トイレットペーパー
コクヨ トイレダスト回収バッグ
コクヨ:トイレダスト回収バッグ
コクヨ トイレダスト回収バッグ

同じくコクヨのトイレダスト回収バッグは、一般的なゴミ袋の10倍の厚さで、およそ50回分のトイレゴミを保管できます。素材が厚いので臭いが漏れにくく破れにくいのがポイントです。災害時は、一般家庭のゴミ回収が優先され、事業ゴミの回収は後回しになることが多く、東日本大震災では事業ゴミ回収の再開が震災後2ヶ月かかった例もあります。トイレと合わせて保管用の容器も備えておきましょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧