自宅からオフィスまで、マイタイムラインを想定した備えを考える

防災行動計画
防災

最近徐々に耳にするようになった「マイ・タイムライン」というキーワードですが、 マイ・タイムラインとは「住民一人ひとりのタイムライン(防災行動計画)」とされ、「台風等の接近による大雨によって河川の水位が上昇する時に、自分自身がとる標準的な防災行動を時系列的に整理し、自ら考え命を守る避難行動のための一助とするもの(国土交通省HPより)」と説明されています。

例えばタワーマンションの上階に住む人と、低海抜で河川の近くに住んでいる人では災害時に受ける被害も異なりますし、避難するタイミングや避難の方法なども異なります。

今までは、災害時は避難所に避難すると漠然とイメージしていましたが、実際には避難しない人、避難が遅れる人なども見受けられ、時として要救助対象になったり、災害に巻き込まれ怪我をしたり亡くなったりしてしまうことがあります。

マイタイムラインを設定することで、自分の避難計画の基準となるだけでなく、自分が住んだり勤めているエリアのリスクを正しく把握することで事前準備をコスパよく行うことができます。

マイタイムラインの想定は、事前準備にこそ有効

マイタイムライン

避難計画がメインに思いがちがマイタイムラインですが、避難計画を立てることで、事前準備を行う「防災」、被害を最小限にする「減災」にも有効な情報となります。

例えば、自宅内で多くの時間を過ごす場所から避難することを想定した場合、避難導線を確保する必要があります。さらには地震などの災害時に初撃を回避する、避難する前にケガなどをしないためにどうしたら良いか(家具の固定など)を想定することができます。

食料備蓄などに関しても、自宅が丈夫で被災しにくい環境にある場合はローリングストックメインで10日以上の備蓄があると安心ですが、避難が前提の環境であれば3日程度の調理不要な非常食を非常持ち出し袋にいれておく方が優先となります。

マイタイムラインの想定(作成)に必要なもの

マイタイムラインの想定には自分の行動エリアの災害リスクを把握しておく必要があります。自宅など居住地域だけでなく、職場やその通勤経路、休日によく出かけるエリアなど日常の行動エリアを優先順位をつけて把握しましょう。

ハザードマップなどは各自治体で公開されていますので、それを確認して、地盤の固さや水害などで浸水しやすいエリアかどうかなどの確認はすぐできると思います。

スマートフォンアプリの中には、地盤の状態や災害時のリスクなどがチャートで表示されるものもありますので、より詳細、よりピンポイントでのリスク確認などが行えます。

海岸エリアや河川の近くでは、水害時にどこまで浸水するか、津波がくるのか、などの情報が標識などで表示されていることもあります。そういった身の回りのエリアの情報を確認することが、マイタイムラインの第一歩となります。

かつては、仕事や趣味などで家にいる時間が少なく寝に帰るだけという人も、新型コロナウィルスの状況になって、リモートワークなど「おうち時間」が増えた人も多いと思います。

「寝に帰るだけ」の時は気にならなかった(優先度が低かった)自宅の環境も、いる時間が増えると気になったり不満な点が出てくるかもしれません。そのような場合には、一度災害リスクも確認してみて、自分にとって高リスクだと思ったら引っ越す良い機会かもしれません。

マイタイムラインの最も基本なところは、災害にあいにくい、被害が少ないエリアで行動するということになります。

悲観的に準備し、楽観的に対処する

防災格言の中に、「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」というものがあります。これは、最悪の状況を想定してそのための準備をしておくと、実際に災害やトラブルが起こったときに準備の中で対応できるというものです。また、実際のトラブルが想定以上だったとしても「最悪」を想定した悲観的な準備までしているので、足りないまでも対応できるレベルの備えがある場合が多いというのがあります。また、ことここに及んでは「楽観的に対処する」ことで、前向きな対応、困難に対応する際のモチベーションとする意味合いもあります。

悲観的に準備した結果があるからこそ楽観的に対処できる面もあります。とはいえ、あらゆる想定を悲観的に準備するのはコスト的にも無理がありますので、そのためにもマイタイムラインを設定し、それに沿った準備をするのがコスパ良い備えになると言えるでしょう。

防災グッズ

非常持ち出し袋に入れておきたいアイテム(例)

  • 防水性のあるリュック(ザックカバーを加えるのでも良い)
  • ヘッドライト(100ルーメン以上が望ましい)
  • アルミブランケット(音のしないタイプ)
  • 水筒
  • 簡易浄水器(スーパーデリオス/MizuQなど)
  • 食品用ポリ袋(耐熱性)
  • チャック付きポリ袋(ジップロックなど)
  • 非常用トイレ
  • ウェットティシュ、除菌スプレーなど
  • アウトドア用タオル(速乾性)
  • ゴミ袋(70lなど大きなものと45l程度のものなど数枚ずつ)
  • ガムテープ
  • 油性マジック
  • 非常食
  • 水(飲料水)
  • 携帯コンロと燃料(固形燃料、アルコール、カセットガスなど使い慣れたもの)
  • クッカー(鍋)
  • ホイッスル
  • 下着、靴下(2〜3組)
  • モバイルバッテリー(2セット、充電ケーブルも)
  • 雨具

その他、体力や行動範囲に応じて足し引きをすると良い。

スマホに入れておきたい防災アプリ(例)

  • Yahoo!防災速報
  • NHK防災アプリ
  • NERV防災
  • お薬手帳アプリ(クラウドサービス)
  • スキャンデータなどを保存するクラウドアプリ(Evernote、DropBoxなど)
  • 東京防災

ピックアップ記事

関連記事一覧