スタンディングデスクの有効活用法

オフィス環境
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スタンディングデスクは意外に流行らない

 オフィスにせよリモートでの自宅作業にせよ、長時間座ったままでの作業は、身体に良いものではありません。それは、かなり以前から言われていることですし、筆者の知人には、特に太っていたわけでもないのに、いわゆるエコノミークラス症候群で亡くなった方もいます。そうでなくても、リモートワークに於いて、良い椅子やクッションが良く売れているのは、長時間座ることが苦痛だからです。

 もう10年くらい前から、立って仕事をするスタイルがアメリカやヨーロッパのビジネスマンの間で流行り始め、日本でもフリーアドレスのオフィスなどでは、立って仕事をするためのデスクが用意されるようになってきました。しかし、今一つ普及しないのは、長く座っていられないのと同じように、長く立っているのも腰や脚への負担が大きく、何より疲れてしまうからでしょう。脚本家の宮藤官九郎氏は、執筆にスタンディングデスクを導入したものの、立って仕事をしている内に、だんだん寂しくなってしまって、結局止めてしまったと話していました。いい大人になってまで、何故立たされているんだろうと思ってしまったのだそうです。

リモートワークの時代にこそリフティングデスクを

しかし、リモートの時代になり、オフィスでも省スペース、フリーアドレスが一般化してくると、スタンディングデスクのもう一つのメリットが注目されてきました。立って仕事をするということは、椅子を置かないで済むわけで、それは圧倒的に場所を取らないのです。ワークスペースを確保しにくい一般家庭でも、椅子を置く必要が無いとなると、仕事をするスペースが確保できたりします。リモート会議やミーティングはダイニングテーブルなどを使って行い、デスクワークはスタンディングデスクで、というスタイルは、リモートワークに於いてかなり有効なスタイルです。実際、立って仕事をしてみると分かるのですが、姿勢的に緊張感があるせいか集中しやすく、それが長持ちするのです。調べ物などは座った方がスムーズに行えるのですが、一気に資料を作ったり文章を書いたりといった作業は、立った方が早く仕上がる傾向にあるようです。あと、立っているので当たり前ですが、居眠りが防げます。

とはいえ、ずっと立ちっぱなしというのは、それも疲れてしまいます。現在の主流は、机の高さを簡単に変えられるコンパクトなデスクを使って、立ったり座ったりしながら仕事をするスタイルです。例えば、イトーキの「サリダリフティングデスク」は、オフィスでも家庭でも導入しやすい、コンパクトタイプの昇降デスク。油圧式で電源不要だし、畳めば、部屋の隅に置いておけます。しかも、天板のサイズがW69cm×D47cmとノートパソコンとコーヒーを置くとちょうど良いくらいの、圧迫感が無い大きさなので、家庭の空きスペースに置きやすいのです。

高さも、72cm〜110cmと、ダイニングテーブルの低い椅子から、立ち仕事まで対応。座面の角度を変えられるので、座り仕事でも身体に負担が少ない状態で働けます。メーカーの直販サイトでの販売価格が25900円と、家庭で導入しやすい価格なのもポイントです。高さはワンタッチで、しかもノートパソコン程度なら乗せたままで調節できるので、立ったり座ったりを、面倒なく行き来できます。

イトーキ サリダリフティングデスク
サリダリフティングデスク|イトーキ

イトーキ「サリダリフティングデスク」25900円。色はナチュラルとブラックの2色。

省スペースのフリーアドレスデスクとしてのリフティングデスク

オカムラ|Swift(スイフト)
オカムラ「Swift(スイフト)」は、昇降機能が付いたオフィス用デスク。写真のようにデスクトップパネルを装着することも可能。サイズ、仕様も各種用意されている。

オフィスで導入するなら、オカムラのSwift(スイフト)がお勧めです。ワークデスクからミーティングテーブルまで、天板のサイズが3種類用意されていたり、デスクトップパネルを設置できるなど、オフィスでの幅広い利用に対応できるラインアップです。電動式の昇降システムは、最初はゆっくり、徐々にスピードアップするタイプで、音も静か。仕事道具を広げた状態での昇降も安心して行えます。机の高さを自在に変えられるということは、同じデスクで体格の違う人が自分に合う高さの机で作業できるということでもあり、その点でも楽な姿勢で仕事が行えるわけです。さらに、全てのデスクの前に椅子を置く必要が無いのも、スタンディングデスクを採用するメリットの一つ。フリーアドレスに加えて省スペースにもなるわけです。
集中力は長くて45分くらいしかもたないという研究結果などもあります。

参照記事:人が集中できる時間は最大45分
https://www.g-soumu.com/articles/column-2020-01-nioi9
(月間総務オンライン2020年1月17日)

そう考えると、例えば45分間立って仕事をして、15分休憩というセットを繰り返すというスタイルも考えられます。その45分を立つか座るかで休憩の仕方を変えるというスタイルも考えられます。特に、時間の区切りが難しいリモートワークの場合、立って仕事をすることで、省スペースと集中力に加え、長時間連続して仕事をせずに、休憩を挟むという習慣が身に付きやすいのです。まずはオフィスに、そこから家庭へとスタンディングデスクを導入してみてはいかがですか。

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