文字による打ち合わせ、会議の有効性

リモートワーク

リモート会議にカメラは必要なのか

リモートワーク

現在、様々な形でリモートワークが行われています。リモートワークと言えば、デスクワークとオンラインでの会議やミーティングが主な作業になるのは仕方のないところですが、このオンラインミーティング、私のようなフリーランスが、複数の会社の会議に実際に参加していると、かなりの数の人がカメラをオフにして音声だけで参加していることが多いことに気がつきます。もちろん、会社や業種、業務内容にもよるのですが、書類を共有するなら、画面共有の方が便利ですし、実務上、顔が見えなければできないミーティングというのは、ほとんどありません。カメラのオンオフは参加者の自由とされたミーティングでわざわざカメラをオンにしている人を私は見た事がありません。

例えば「オンラインミーティング カメラ 必要?」で検索すると、

  • Zoom会議で上司が強要する「カメラオン」 社内の「偉い人」
  • オンラインミーティングではカメラOFFの方が良い理由
  • Web会議での「顔出し」強要はNG?上司が注意すべきこと

といった項目が並びます。もちろん、カメラが必要な種類の会議もありますが、元々、こういう状況になる前から、電話で済む打ち合わせは普通にありましたし、「顔合わせ」は必要なのかという議論もありました。フリーランスの場合、ネットの普及以降、仕事相手と一度も顔を合わせないまま、何年も一緒に仕事をするといったことも珍しくありません。

音声だけで良いなら、更に踏み込んでチャット会議を

リモートワーク

そして、カメラが不要で、音声だけで良いということであれば、更に一歩進めて、テキスト主体での会議、いわゆるチャット会議も視野に入れるべきでしょう。確かに、キーボードで文字を打つよりも喋る方が早いし、楽です。ただ、話し言葉というのは、理路整然としているようでも、その実、かなり曖昧なものです。それは、会議の議事録を作ったことがある人には自明のことでしょう。会議の録音をそのまま文字に起こすと、とても読みにくい上に、意味不明の箇所や説明不足の箇所がいくつも出てきます。これは、慣れたインタビューアーが喋り慣れた人にインタビューしても同じことです。テレビなどのインタビューが通り一遍であまり内容がないのは、それ以上の話は編集無しでは放送に耐えないからなのです。

文字で会議することはメリットだらけ

その解決策が文字で、文章で会話することです。文章にすることで、自分の考えを自分で整理することができます。相手も、文章になっていると、自分が理解できているところ、よく分からないところがハッキリするので、的確に質問できます。もちろん、自分の考えやアイディアを文章にするのは簡単なことではありませんが、論文を書くわけではなく、文章で会話をするのですから、曖昧な分かりにくいことを書いてしまっても、そこに質問が入り、それに答えている内に、文章自体は拙くても、内容はきちんと伝わります。会話と違って、「なんとなく分かったような気になる」ということになりにくいのが、文章の大きなメリットの一つなのです。

もちろん、綺麗な文章が書けるにこしたことはありませんが、喋りは下手でも良いことを言う人がいるように、文章が下手でも内容がきちんとしていれば、会議は十分に成立します。文字は読み返すことが簡単なので、曖昧にしていては困る部分を指摘しやすいのもメリットです。発言者も、自分がどこを曖昧にしていたかを指摘された方が、修正しやすいし、会議自体もスムーズに進むでしょう。

文章のスキルアップにも有効

何より、会議が終われば、そのまま議事録が出来上がります。内容を整理要約するのも簡単です。誰が発言して、誰が黙っていたかもひと目で分かります。キーボードを打つのが面倒な分、雑談も減ります。最近では、音声入力もかなり優秀になってきたので、ざっと音声で入力してから、それを修正してから発言として出すというスタイルにしても良いでしょう。それなら、キーボードを打つのが遅くても、問題なく会議に参加できます。自分の発言を自分でチェックしてから提出できるのは、仕事上、メリットしかないはずです。

文字だけのやりとりは、味気ないと思われるかも知れませんが、言葉だけのやり取りは、必然的な内容が濃くなるので、むしろ濃いコミュニケーションになりますし、声の質や容貌といった余計な要素無しに、内容と言葉遣いだけに集中できるのは、相互理解の助けになります。文章というのは、かなり人格が表れるものですから、後で議事録を読み返すと、顔を出してのオンラインミーティング以上に、恥ずかしいと思われることもあるかも知れません。それならそれで、文章力を磨くきっかけにもなりますし、文章が上手くなって損をすることは何一つありません。言った言わないの水掛け論になることも防げますし、業務の効率化にとても役立つはずです。

ピックアップ記事

関連記事一覧